10代の真菌症へのイトラコナゾールの使用について

イトラコナゾールは強い抗菌活性と幅の広い抗菌スペクトルを併せ持つ抗真菌薬として知られ、使用頻度も高い薬剤です。真菌類の持つエルゴステロールの生合成阻害に特異的に働き真菌類の増殖を抑制します。このことは人体への副作用が少ない事を意味するものでもあります。この特異性に加え、体内での抱合や酸化を受けにくく効果に持続性があり、外用薬は元より内服薬についても開発されています。適応する菌種も幅広く、白癬菌は言うに及ばず、カンジダ、クリプトコッカス、アスペルギルス、糸状菌その他多くの真菌症治療に有効性が認められています。副作用は前述の如く極めて少ないとされていますが、イトラコナゾールには幼小児10代に開発された小児用薬剤がありません。添付文書には新生児に対する投与は不可であり、10代小児への投与も、重篤な真菌感染症或は基礎疾患と合併した真菌症において、イトラコナゾールによる治療の危険性が有益性を上回ると判断される場合にのみ使用することとあり、注意が必要です。因みに、臨床試験及び再審査期間に得られた10代を含む幼小児への使用例は65症例あり、この内4例に顕著な副作用がある旨報告されています。この10年ほど以前から医療現場での10代を含む幼小児へのイトラコナゾールの使用例が散見され、効果を認められたとする報告が存在する事も事実ですが、十分な安全性を確立できるまでにはまだなっていないのが現状です。ご家庭でお子様が真菌感染症と思しき疾患に罹っており、親御さんの使用していた薬剤がイトラコナゾールであったとしても、安易にお子様に使用することは避けるべきです。小児に対するイトラコナゾールの含有量の問題や投与量の問題についてはまだ途上にあります。小児の真菌感染症治療については専門医からの治療を受ける事を心がける必要があります。